浅野四十二万石は1934(昭和9)年より製造販売を開始いたしました。この商品を考えだしたのは、弊社の創業者田川徳一です。
毎日和菓子をリヤカーに乗せ、広島駅から広島城のある基町周辺まで販売に出かけていた創業者は、昭和20年8月6日の原爆投下まで国宝に指定されていた広島城を眺め、江戸時代から明治の廃藩置県まで広島を統治していた浅野氏の名に相応しいおまんじゅうを、と考えました。
「その商品は、和菓子の命ともいえる餡の味を大切にしよう」と考え、赤餡は北海道小豆を使用、白餡は手芒豆を使用しました。
餡を包む皮は、略称「かすまんじゅう」といわれる製法で、卵・小麦粉・蜂蜜の配合で練ったもの。カステラによく似た配合なので、「かすまんじゅう」と呼ばれています。
本来、かすまんじゅうは一晩寝かすものですが、「浅野四十二万石」は従来のものより配合が複雑なため、職人の試行錯誤の末、2時間寝かすことにしました。これにより、砂糖が生地によくなじみ、焼き上がりのまんじゅうの皮がなめらかになるのです。
しっとり柔らかな生地と、こしあん・白あんのなめらかな甘さをお楽しみください。
※写真画像は、12個入りのものとなっております。
原材料 | 小豆生餡、白生餡(手芒豆)、砂糖、小麦粉、卵、還元水飴、オリゴ糖、蜂蜜、練乳、ブドウ糖、脱脂粉乳、寒天、クロレラ、トレハロース、膨張剤、酸味料 |
箱サイズ | 27x26.7x4.8(cm) |
賞味期限 | 15日間 |
保存方法 | 高温多湿不可 |
発送方法 | 通常便(クール冷蔵便同梱可) |
「浅野四十二万石」という名前と味が評判となり、「大して宣伝もしてないのによく売れた」と長男の田川敦通、今の会長に語ったことがあるそうです。
戦後の混乱期を乗り越え、広島も復興の兆しが見え始めた1951(昭和26)年、発明協会の方の勧めもあり、「浅野四十二万石」は登録商標を取得します。
そして、銘菓「浅野四十二万石」の名前は、当時東京に居を移され東京博物館館長を務められていました浅野家16代目ご当主、浅野長武(ながたけ)氏の耳にも届くこととなりました。
弊社創業者田川徳一(左)と浅野長武氏(右)
広島市西区草津に今もあります小泉酒造のご主人小泉氏と、かつて浅野家の家老職の家柄であった山口氏の口添えもあり、1957(昭和32)年4月27日、旧広島浅野藩藩校、修道学園の視察ののち、浅野長武氏が弊社を訪れてくださいました。
長武氏は店内の様子、商品をつぶさにご覧になられ、創業者に激励のお言葉を寄せてくださいました。「浅野四十二万石」の認許をいただいた上、「名前にはじない立派なお菓子を作りなさい」とのお言葉も。創業者はこのときの感激を、「体が震えるほどであった」と常々語っていました。